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zoom RSS 寝台特急衰退がJR分割の弊害だと? (2)

<<   作成日時 : 2010/05/29 16:48   >>

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前回の続きです。

長距離移動において、航空機の影響を無視することは決して出来ません。1987年当時と今を比較すれば、以下の点で大きく状況は変っています。

・羽田空港の再拡張事業による羽田空港発着枠の増大
・関西空港の開港に伴う関西地方の発着枠の増大
・航空運賃自由化に伴う割引運賃の拡大
・地方空港におけるナイトステイの普及

上3つの効果は1994年以降の羽田、関西地方発着の航空輸送量の増加という目に見える形で現れています。顕著な例が東京−大阪ですが、羽田−中国地方、関西−九州等も明確な増加傾向を示しています。ただし関西−九州は1996年をピークに減少していきますが。

例えば、伊丹・関空−熊本・鹿児島の提供座席数を1987年度と1996年度を比較してみれば、約2000人/日/片道の増加であり、B寝台12両の寝台特急換算で5往復分にもなります。また、新大阪−熊本間の昼行列車の所要時間についても、ひかり+485系有明からのぞみ+787系つばめに変ったことで、5時間弱から4時間弱へ、約1時間も短縮しています。

私の場合は最も利用頻度が高かった列車は「出雲」になるのですが、JR発足時の鳥取、米子、出雲各空港から東京に往復する場合、日帰りする場合のダイヤは
鳥取9:40−10:45羽田17:00−18:20鳥取
米子9:35−10:50羽田16:00−17:20米子
出雲9:50−11:05羽田16:40−18:10出雲
です。東京から飛んで来た飛行機がそのまま東京に帰っていくというダイヤが主体だった地方空港線ではどこも似たような状況です。東京都心に着いたら昼食で、夕方前には出発しなければならないのですから、実質的には前日最終便(鳥取発19:00、米子発17:55、出雲発18:50)で出て一泊です。

航空機の輸送力は1987年度と2008年度の提供座席数を比較すると
鳥取便:180,434人/年→484,557人/年
米子便:249,480人/年→606,422人/年
出雲便:221,641人/年→911,155人/年
ですから、3路線合計で1,350,579人/年、すなわち「1850人/日/片道」もの輸送力増強を見ています。「出雲」の定員はフル編成で約300人でしたから6往復分です。

また、昼行列車も米子−東京(やくも7往復)で最速約6時間半、鳥取−東京(あさしお3往復)で最速約6時間半から、米子−東京(やくも14往復)最速約5時間40分、鳥取−東京(はくと6往復)最速約5時間と顕著なスピードアップと便数倍増を見せているのです。夜行列車がそこそこ走っていてかつ昼行列車の移動が最も不便な地域の一つである東京−山陰ですらこういう状況です。加えて、さらに安く移動したければ高速バスがある。

先日「北陸」「能登」が廃止になった東京−金沢・富山にしても、昼行列車の所要時間は1時間近く短縮になり、航空輸送力は2路線合計で約2100人/日/片道の増加です。しかも、羽田−富山等のように鉄道の昼行便の所要時間が航空機にとって無視しえない競争力を持つ区間では、航空機側も顕著な割引価格を提供しています。

かくの如き状況下で、「旅情」など関係のない「普通の移動需要」を赤字にならない運行をしながら夜行列車が如何にして獲得しうるのか。昼間の高速移動手段が2万円前後、夜の低価格移動手段が1万円弱というレベルにある中、専用車両を要する夜行列車が生き残るにはどのような設備の列車をどのくらいの価格帯で提供すればいいのか。

本文中で旅客ニーズだの公共性だとか言っているけど、その結果が飛行機の充実(増発、値下げ)、昼行列車のスピードアップ(新幹線建設)ではないのか?

それらに対するまともな考察も無く、分割民営化だけをやり玉にあげるようなものに金を出そうとは思わない訳です。

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